守り、伝えたい事
伝統工芸という言葉は、ときに
「昔の形をそのまま作り続けること」と誤解されがちです。
しかし、本来の伝統とは、材料や工程、考え方の筋を外さずに、時代や暮らしの変化に応じて形を整えていくことだと考えています。
変えてはいけない部分と、今に合わせる部分を見極めること。
その積み重ねこそが、長く続いてきた理由です。
家具は、見た目だけで完結するものではありません。
家具は、見た目だけで完結するものではありません。
なぜその形なのか、なぜその構造なのか。
強さや耐久性、美しさには必ず理由があり、理屈と経験の両方に裏付けられています。
後ろ脚を上から下まで一本で通す構造も、単なる意匠ではなく、強度と安定性を考えた結果です。
使う木についても同じです。
材木の名前や評価、価格だけで判断するのではなく、その木がどこで育ち、どのような性質を持っているのかを見極める。
作品に対して問われた際に、きちんと答えられることは、作り手として当然の責任だと考えています。
日本には、まだ十分に知られていない美しい木が多くあります。
大量には流通しないため注目されにくいものもありますが、材としての良し悪しと、流通量の多さは別の話です。
そうした木の価値を見極め、家具というかたちで次の世代へ伝えていくことも、この仕事の大切な役割だと感じています。
便利さや流行は、時代とともに移り変わります。
便利さや流行は、時代とともに移り変わります。
けれど、理由を持って作られ、使われ続けてきたものは、簡単には失われません。 なぜこの形なのか、なぜこの材料なのか。
そうした問いに答えられるものづくりを続けることが、 文化を守り、伝えていくことにつながると信じています。
日本の歴史や素材に目を向けながら、今の暮らしに自然と馴染む家具を作る。
それが、私たちが守り、次へ伝えたいことです。